ECの最新トレンド!-サブスクリプションコマース(定額購入)とは?

突然ですが、みなさんサブスクリプションコマース(定額購入)というECのビジネスモデルをご存知でしょうか?この定期購入型のECはアメリカで急成長し、今やアジア諸国でも大きなトレンドとなっています。今回はその中でも特にサブスクリプションコマースとの相性が良い美容分野の成功事例にも触れながら、その特徴と強みを紹介していきます。

 

 

 

サブスクリプションコマースとは?

 

サブスクリプションコマースとは定額購入型のECモデルを意味します。月額制で一定額のお金を支払うと、毎月商品が届けられるというサービスです。日本でも2012年の後半から話題になっています。

 

なぜ注目を浴びているかというと、このモデルが「流行を追いかけたい、手間なく買い物したい(=選ばなくてもいいものが買いたい)」という消費者のニーズと、「在庫を極力少なく、一定の売上を定期的に生み出したい」というEC側のニーズが一致したビジネスモデルだからです。

 

特に最新トレンドを重視する「洋服、靴、アクセサリー、化粧品」などとサブスクリプションコマースは相性が良く、アメリカやアジアで急速に広がっています。

 

 

メイクのサンプリングで大成功したBirchbox

 

サブスクリプションコマースでもっとも成功した企業として、アメリカの「Birchbox〈http://www.birchbox.com/〉」が挙げられます。創業からわずか2年足らずの2011年には、700万ドル(約7億円)の売上を達成したというから驚きです。

 

Birchboxは月額10ドルでちょっと高級なユーザー好みの化粧品サンプルが届けられるというサービスを行っています。入会時に登録するデータを元に、一人ひとりに合った化粧品が毎月、重複すること無く届けられます。気に入ったものがあればBirchboxのサイト上でフルバージョンの製品を購入することもできます。

 

「いろいろ試してみたいけれど、どれを選んだいいか分からないし探すのも大変だし一個一個が高い…でも最新のコスメが使いたいな…」という化粧品ならではのニーズを見事に掴んでいるのが、Birchboxの上手いところです。化粧品メーカー側も、自社製品を低コストで効果的に潜在的なユーザーへ広めていくことができるというメリットがあります。

 

 

日本を含むアジアでも急速に拡大するサブスクリプションコマース

 

日本でもBirchboxと似た化粧品の定期お届けサービスとして、GLOSSYBOX〈http://www.glossybox.jp/〉が登場しています。
他にも韓国ではMemebox〈http://www.memebox.co.kr/〉、
シンガポールのVanity Trove〈https://www.vanitytrove.com〉、
インドネシアのLolabox〈http://www.lolabox.com/〉・Beauty Treats〈http://beauty-treats.com/〉と言ったように同分野の国際化がアジアで広がっているのです。

 

 

なぜ、「今」サブスクリプションコマースなのか?

 

サブスクリプションコマースに注目が集まっている理由はショッピングに適用されているからだと、先に述べました。では、なぜ「今」なのでしょうか?理由は2つあると思います。

 

1つは、「商品が多すぎて選ぶのが大変だ!」というECの現状があります。情報と製品が溢れ返り、目で見て選別するのが大きな負担となってしまった今日では、自分が欲しい(と思われるもの)を見繕って届けてもらえることが喜ばれます。

 

もう1つは、「サプライズの楽しさ」です。自分で選ばずに届けられるというのがミソで、欲しいものだけど何が届けられているか分からないサプライズ感、非日常感が嬉しいものです。こういったユーザーのニーズを上手く掴んだことが、サブスクリプションコマースの強みです。

 

 

さいごに

 

飽和状態のEC市場で、サブスクリプションコマースという新しいユニークなモデルが変革を起こそうとしています。日本でも食の分野のサブスクリプションコマース(SAKELIFE〈http://sakelife.jp/〉やクックパッドのやさい便〈https://shop.cookpad.com〉)も出てきていることから新たな分野への広がりが期待できます。特に化粧品のサンプリングの例のように、アメリカで急速に伸びた分野はその後アジアでも花開く可能性は高いです。

 

「消費者が時間をかけて選ぶ」という従来のショッピングの本流ではなく、「既に選びぬかれた商品を定期的に受け取る」サブスクリプションコマース。

これからの拡大に注目ですね。