Instagramを初めとして、数々のIT企業の買収に踏み出してきたFacebook。
しかし、買収してきた企業の中で最も価値のある企業は、今年4月に買収したParseでしょう。このParse買収のおかげで、今後Facebookの飛躍的成長が予測されているのですが、それは一体なぜなのでしょうか? 今回はこの買収劇の背景に迫ります。
出典:Parse(https://www.parse.com/)
Parseとはどのような会社なのだろうか?
Parseとは、アメリカ発のモバイルアプリ開発会社で、Y Combinatorお墨付きの今大注目スタートアップ企業です。ここまで急成長した理由は、その革新的なビジネスモデルにあります。モバイルアプリ開発会社は星の数ほどあれど、彼らのほとんどが苦手としている領域があるのをご存じでしょうか? 彼らは、ソフトウェア部分の開発には優れているものの、データのシンクやユーザー認証などのサーバーサイドの開発は苦手としている場合が多いのです。この”面倒な部分”に目を付けたのがParseであり、これらモバイルアプリ開発企業の隆盛の下支えを一手に担うことで、急成長を遂げました。2011年の創業以来、開発に携わったアプリの数は10万を超え、数字でこそ出ていないものの破格の売上を上げているのは間違いなさそうです。
そして、今年の4月、Facebookはこの企業の買収に身を乗り出しました。
Parse買収の意図とは?
買収金額は85億円にも及びました。Facebookからしたら大した額でもないのでしょうが、こんな大金をつぎ込んでまで買収した理由とは何なのでしょうか?
色々な憶測が飛び交っていますが、その真の理由は”Parseの抱えるデータ”にありそうです。
Parseは、アプリ開発会社向けのホスティングサービスも提供しており、アプリに関する情報を抱えています。その中には、ユーザー数の伸び率・ヘビーユーザーの数など、どのアプリが爆発的に伸びそうか、急速に廃れていきそうか解析する際に有用なデータも豊富に揃っているようです。
Facebookはこれらのデータを獲得することで、爆発的に伸びそうなアプリや企業を早期の段階で見つけることができるようになります。
Parse企業一社の買収によって、今後急成長する初期段階の企業を見つけ、早期に押さえることができれば、85億円の買収金額など簡単に穴埋めできる、という訳です。
また、今年の9月5日、あるカンファレンスにてザッカ―バーグはこんな一言を漏らしました。
「Facebookがローンチされたばかりの時期に、Parseがいてくれたらなぁ…」
確かに、初期の段階でParseを買収しておけば、その後の企業の買収は相当楽になったことでしょう。買う必要もなかった企業もあれば、買っておくべきだった企業もあった…そんな後悔が彼の言葉から感じ取れます。
まとめ
今回のケースから分かるように、伸びそうな企業を早めのうちから買収しておくことで、その後に大きなメリットを享受することができます。これはサイトやメディアに関しても同じであり、のちに莫大なユーザー・利益を生むものは早めに購入しておくべきでしょう。
ぜひ今回のケースも参考に、サイトの買収について検討してみてはいかがでしょう?
参考元:
・ Zuckerberg: I wish Parse had been around when I started Facebook