スマートフォンが急速に普及していることを感じる機会が多々あると思います。日本国内ではスマートフォンの利用率が25%を越えたと言われています。そんなスマートフォンの世界シェアの80%を占めるAndroidが、あの有名なチョコレート菓子「KitKat(キットカット)」とコラボレーションしたことで話題となりました。
Androidのバージョン名はこれまでずっとお菓子の名前が採用されていました。今回のバージョンアップでは、Androidのチームメンバーに大人気のKitKatに白羽の矢が立ち、GoogleとNestleが即ライセンス提携が実現したのです。この一見不思議な、ふざけているとも言えるコラボレーションですが、そこには一体どんな意図が隠されているのでしょうか?
モスド、そしてビックロ
Google×KitKatと同様な事例として、国内ではモスドやビックロが有名です。前者はモスバーガーとミスタードーナツ、後者はビックカメラとユニクロ。日本人なら誰もが知っている企業同士のコラボレーションです。
モスドは同業態・同業種のコラボレーション、ビックロは同業態・異業種のコラボレーションです。前者は業態・業種ともに近いため立ち上げの難易度が低いものの、元々外食産業同士でターゲットに大きな差が無いため、インパクトが弱くなりがちです。一方、後者は立ち上げの難易度は高いものの、シナジー効果がハマれば大きな波及が期待できます。
モスドはインパクトが弱くなることを回避すべく、20~30歳の女性をターゲットにやや高級志向のブランドとして売り出し、人気を集めました。ビックロも女性客に弱いビックカメラですがユニクロ効果で女性の来客率を30%から45%へと引き上げることに成功しました。
コラボレーション・マーケティングというトレンド
Google×KitKat、モスド、ビックロ……これらの企業コラボはコラボレーション・マーケティングと呼ばれます。新規顧客の開拓が不調気味となった企業同士が、現状を打開すべく新しいことにチャレンジしようとする時に効果的な選択肢の1つです。意外性の強い企業同士であればあるほど、大きな話題を呼ぶことができるのが、コラボレーション・マーケティングの大きな魅力です。
コラボレーション・マーケティングには他にもメリットがあります。まず、新規顧客を獲得することができます。コラボ相手が既に確保している固定客層を、新たに自社の顧客として見込むことができます。また、ある程度ブランドイメージが固まってしまったところでコラボレーション・マーケティングを行うことで、意外性を発揮しブレイクスルーすることも可能です。そしてコラボレーション次第では、コラボ相手の顧客が自社のコンテンツやサービスに関心を示す可能性が高いため、ブランド力を強化することも可能です。
まとめ
コラボレーション・マーケティングを成功させるためには、確実にメリットを生み出せるような相手を慎重に選ぶこと、そして、コラボ相手に流されてしまわないよう自社を強く保つことが大切です。
今回ご紹介した事例は企業同士のコラボレーションばかりでしたが、この発想はサイト売買にも応用させることができます。コラボレーションさせることでお互いにどんな効果を期待することができるか試算した上で、サイト売買を行えると良いでしょう。
参考:
Google launches Android KitKat with Nestlé collaboration and spoof Apple ad
Collaborative Marketing Is The Next Big Thing
http://www.forbes.com/sites/davidkwilliams/2013/06/18/collaborative-marketing-is-the-next-big-thing/