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クラウドファンディング 3つの大きな失敗例から学ぶべきこと

全世界的に起業家の数が増えている昨今。大企業に就職する魅力が弱まりつつある日本も例外ではなく、アイデア×プログラミング×デザインで誰でもサービスを生み出すことができるため、挑戦する人が急増しています。そして、そんな彼らの大きな後押しとなるのが、クラウドファンディングです。ですが、必ずしも資金調達に成功するとは限りません。そこで今回は、私達は失敗例を通じて何を学ぶべきか、考えてまいりましょう。

 


2013年、3つの大きな失敗例

1. New York City Opera

・目標額:$1,000,000 → 到達額:$310,000

ニューヨーク市民の誰もがオペラを鑑賞できるようにという理想をもって運営されていたオペラです。1943年創立で今年70周年を迎えた歴史あるオペラ団でしたが、経営が難航し、今年末までに$20,000,000(約20億円)の資金調達をする必要が生じました。

 

そこでクラウドファンディングに挑戦しましたが、目標金額に設定した$1,000,000の30%程度で期限となってしまい、2013年10月1日に破綻申請をする運びとなりました。市民芸術といえども、行政なり市民なりの保護なくしてはいとも簡単に潰えてしまうのです。

 

2. Ubuntu Edge Phone

・目標額:$32,000,000 → 到達額:$12,800,000

UbuntuEdge Phoneの名前をみなさんご存知でしょうか?UbuntuはLinux用のOSとして有名ですが、そのUbuntuがスマートフォンを開発していたことはあまり知られていないと思います。Ubuntu Edge Phoneはパソコンの性能もひとつになった「スーパーフォン」という位置づけで、注目を集めていました。

 

投資者にさまざまな特典を設け出資を呼びかけましたが、クラウドファンディングは目標だった$32,000,000 (約32億円)の3分の1足らずで終了してしまい、次代の幕開けが期待されたUbuntu Edge Phoneの開発は無念の中止となりました。

 

3. Melissa Joan Hart’s Romantic Comedy

・目標額:$2,000,000 → 到達額:$51,605

Melissa Joan Hartは人気海外ドラマ「サブリナ」の女子高生魔女役で有名ですが、「DARCI’S WALK OF SHAME」という作品の主演映画化を目指して、制作資金を公募することにしました。ハリウッドスターたちがクラウドファンディングで制作費用を調達して映画化することに先例があり、Melissa Joan Hartもその波に乗ろうとしたのです。

 

特設のキャンペーンサイトを作りクラウドファンディングに臨みましたが、結局のところ目標金額$2,000,000 (約2億円)の20分の1程度に終わりました。富と名声が集まりファンも多いハリウッドスターをもってしても、必ずお金を集められるということはないのです。

 

クラウドファンディングの達成率は低い?

先の3つの例のように知名度があり根強いファンがいる募集者たちでも、クラウドファンディングに失敗してしまいました。肝心の達成率はというと、クラウドファンディングのプラットフォームとしてもっとも有名なKickstarterで44%、IndieGoGoでは10%を切ると言われています。

 

では、クラウドファンディングとは非現実的な手段なのでしょうか?国内のクラウドファンディングに目を向けてみると、CAMPFIREでは80%以上の達成率を誇っているようです。CAMPFIREに並んで有名なReadyForも達成率が60%を越えており、日本に限った話では意外とうまくいっていると言えるでしょう。

 

クラウドファンディングを成功させるために

先の失敗例に共通しているのは、調達額の規模があまりに大きすぎるということ。どんなに良いサービスだったりどんなに有名な人だったりしても、そう簡単に億単位のお金が集まるとは考えにくいです。莫大な金額の調達は、それだけ支援者の数もたくさん必要になるので、大人数がサポートしてくれる企画でなければクラウドファンディングには向いていないと言えるのではないでしょうか。

 

国内のクラウドファンディング・サービスでは多くて数百万円程度ですので、共感してくれた数百人の人が1万円ずつ援助してくれれば達成できる計算になります。このように、応援してくれる人の数と調達金額のバランスをいかに調整するかがクラウドファンディングの肝です。欲しい金額を望むだけでは達成は難しくなるでしょう。

 

例えば東日本大震災以来、被災地の復興支援を行うNPOやボランティアが非常に多く立ち上がりましたが、それらの団体が活躍していくのと一緒にクラウドファンディングも国内で浸透していきました。被災地支援という文脈なら必ず成功するという訳ではありませんが、投資してくれる支援者たちの共感を生んだことは確かです。大切なのは、知名度やサービスの大きさではなく、アイデアの強さとクラウドファンディングに対する計画性ではないでしょうか。

 

photo credit: 401(K) 2013 via photopin cc

 

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