サイト売買時に、売り手側でサイトのリニューアル作業が発生する場合の注意点

こんにちは。

サイトキャッチャーの小林です。

今回は、サイト売買時にサイトの売買と合わせて売り手買い手間でサイトのリニューアルの依頼をした際のトラブルをご紹介したいと思います。

 

アフィリエイトASPを自社で始めようと思っていたA社が、たまたまサイト売買のサイトで同様のサイトを発見したことが始まりです。

 

売却サイトを運営していたのは、個人事業主のFさん。
そのサイトはシステム・デザイン等すべてご自身で制作したとの事。

制作後、集客をしようと試行錯誤して、様々なメディアに広告を出稿したが、思うように集客ができず、閉鎖するため、売却できるなら売却したいという事が売却理由です。

そのサイトはとてもきれいなデザインで、A社も一目でこのサイトを気に入りました。
また、売上が上がっていなかったため、安価でこれから作ろうとしていたアフィリエイトASPのシステムが手に入るという事ですぐに話を進めたいとA社から依頼がありました。

すぐに売り手買い手で面談を実施することになりました。

面談の場で話したことは、
A社はサイトの購入後にこのサイトの全面リニューアルをしたい。

システム、デザインのリニューアルをFさんにお願いしたい。

サイトの売買契約とは別に、システムリニューアルの契約を結び、
売買代金とは別に、別途50万円お支払いする。

との事でした。

具合的なリニューアル案を考えて、再度打ち合わせをしようという事になり、
その日の面談は終了しました。

後日、再度リニューアルについて、打ち合わせがあり、話がまとまり、契約書を作成することになりました。

売買契約書の作成が終盤に差し掛かったころ、A社から連絡があり、サイトの売買契約とサイトリニューアルの契約を一つにまとめたい。エスクローサービスは利用せずに、サイトのリニューアルが完了したらお金の決済をしたいとの事。

Fさんは特にそれでも問題ないとの事で、1つの契約書にまとめる事に。

その後は特に問題なく、売買契約は締結されました。

2週間後、FさんからA社が代金を支払ってくれないと連絡が入りました。
A社に連絡をすると、デザインが望んでいたレベルからかけ離れており、こんなものにはお金は払えないとの事。

私から見ると、事前に打ち合わせしていた内容、デザインのサイトに仕上がっているように見えます。

Fさんも、A社からどこがだめなのか指摘が一切なく、レベルが低いとしか言われず、
何もできない状況になっていました。

どこがダメなのか指摘して改善しましょうと促すも、A社はとにかくお金は支払わないの一点張り。

A社と改善に向け話をしていると、なんとなくお金がないのでは、という事を感じました。

Fさんに状況を説明し、今後どうするか検討するとの事。

後日Fさんから連絡があり、あまり長引かせたくないので、今回は契約解除をするとの事。
また、契約締結後のやり取りの詳細を聞くと、サーバーのアクセス情報を教えてほしいと何度も連絡があったそうです。その際は、代金の決済がまだなので、決済が完了したらお伝えするという事で、あきらめてもらっていたそうです。

よくよく考えると、A社にはもともとお金を支払う意思がなく、サーバーにアクセスしサイトのデータだけ取ってしまおうと目論んでいたのかもしれません。
そして、契約解除の口実として、サイトリニューアルを絡ませ、レベルが低いという事で解除しようとしていたように思えます。

もし、サーバー情報をFさんが渡していたら、そうなってしまっていた可能性は高いと思います。

後日、契約は解除され、無事新たな買い手も見つかりました。

■まとめ
1、サイト売買の決済は、エスクローサービスを利用することは、リスクヘッジの観点から非常に重要。

2、サイト売買後の大がかりなサイトリニューアルの作業も売り手側で発生する場合は、サイトの売買契約とは別にサイトリニューアルの契約を結んだ方が良い。

3、サーバーへのアクセス情報を渡してしまうと、サイトをコピーできてしまうリスクを認識しましょう。

今回の話とは別ですが、売買契約前にシステムのプログラムを確認したいという事で、サーバーアクセス情報を渡してしまう方がいらっしゃいますが、事前確認であれば、面談時などにその場で相手が何をしているかわかる状況で、確認していただくようにしましょう。

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