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株式会社キーワードマーケティング研究所 滝井 秀典様

株式会社キーワードマーケティング研究所 代表取締役 滝井秀典様
小林
滝井さんの自己紹介をお願いします
滝井
キーワードマーケティング研究所の代表をやっております。弊社は2004年に創業した会社です。PPC広告のコンサルティングとセミナーなどの教育事業をしていたのですが、ここ2、3年は、広告の運用代行、いわゆる広告の代理店事業と、ページ制作の方にシフトして事業を組織で行っています。
小林
滝井さんはサイト売買をご存知であったり、ご経験等ありますか?
滝井
滝井 秀典様01そうですね、僕は2002年までサラリーマンでした。2003年に脱サラしてペット販売のビジネスをしていたんです。
ブリーダーさんと子犬を買いたいという人の仲介をしていたのですが、当時は子犬が流通の過程で死んでしまうということが多くありました。
段ボールに詰め込まれてとか、ペットショップの明るい中で人にずっと見られてストレスで死んでしまったりとか。

直接ブリーダーさんから購入すれば、子犬の移動は一時間程度なので流通過程で死ぬことがなくなるで、僕もやろうと思ったんです。
ペット販売は、いろんな観点から真面目なビジネスで、子犬の死亡率を下げるという社会的な意義もありそうだということで、市場に参入しました。

僕はマーケティングの勉強もしていたので、加盟していたグループの中で、業績ではすぐに日本一になりました。3ヶ月ぐらいで一気にトップに上り、事業自体はとてもうまくいきました。
もちろん子犬の死亡事故は1頭もありませんでした。
元々インターネットでしようとは思っていなくて、オフラインビジネスの新聞広告とか、オフラインの媒体を使おうと思っていたんです。
ところが、たまたまアドワーズというものが良いらしいと聞いて、僕もやってみようということで、当時誰もしていなかったインターネットで子犬の販売という事を始めました。
当時はPPC自体が始まったばかりでアドワーズがちょうど始まった年でした。しかも、アドワーズでキーワードを設定すると当時はYahooにも出ていた時期があって、ワンクリック7円で、Yahooトップに出てくるんですよ。

当時は凄く恵まれていて、競合するような相手もいなかったし、SEOなんて概念もなかったから、広告をだせばお客様が山ほどきていました。
その事業自体は非常に成功したんですけど、やっぱり生命を扱う事業なので、成長性とかを考えるようになりました。

最終的に、事業組織化ができないと判断し、その事業を売却することにしたんです。
当時はM&Aとか検索してもM&A仲介会社さんのページが3つしかないような時代でした。
そこのうちの1社に問い合わせをして話をしたのですが、やっぱりと言うかハードルが高いと言うか、そんなに資産価値がある訳でもないし、SEOみたいにバックリンク資産もあるわけでもないから、売買の額が小さすぎてどうかねえみたいな雰囲気になってしまい・・・

なんかやり辛くて、自分でやることにしたんです。当時考えたのが、アントレって言う当時は起業系でとても盛り上がっていた雑誌があり、それにきちんと子犬の生命を扱うことができる人、と限定してサイト売却の広告を出そうとしました。
アントレの担当の人にサイト売却の広告を出したいと言ったら、意外とすんなりいいですよと言われたのを覚えています。

それで、広告原稿作っていたら、アントレの担当の人がその友人にサイト売却の話をたまたましたら、買いたいって言う人が出てきて、アントレの担当の人がつないでくれました。
それで、結局広告を出さずに売却の話が進みはじめました。

ペットグッズの販売のビジネスをちょうど立ち上げようとしていた人でペットグッズと生体販売を一緒にやったらおもしろいんじゃないかということで興味持ってくれて、結局その人に売却しました。
もちろんその後も子犬の死亡事故は1頭たりともありませんでした
小林
実際の交渉の段階で苦労したこととか、ありませんでしたか?
滝井
滝井 秀典様02素人考えで進めてしまったので、今から考えるとバカみたいなんですけど、値段の設定ってあってないようなものなので、かなり低い金額を設定してしまいました。

話がかなり進んだ後に、最初に相談したM&A会社に実はこういう話で進めているんですと、相談したんです。

そしたらM&A会社の担当者がこんな安く売るのですか?とびっくりされてしまいまして。
事業の受け渡しとか全くトラブルはなかったのですが、要はちゃんと事前に相談しておけばよかったなと思います。

知識のある人にね。やはり交渉の過程は不安でしたね。
小林
実際にM&A会社に仲介を依頼したのですか?
滝井
最後まで話が進んだ後に相談しに行ったので、入りませんでした。売却契約書みたいなのを作ったときの見極め人見たいなところだけ入ってもらいました。契約書の中身とちゃんと見ましたよって公認会計士が決めましたよって形で判子だけ押してもらって、終わりました。
小林
サイト売買が世の中に出てきて活用されてきていますが、滝井さんから見てどんな人たちがサイト売買を活用していったらいいと思いますか?
滝井
そうですねえ、はっきりもうスターアップする事業を興す人と、興った事業を大きくする人っていうのはあきらかに人の素質が違うじゃないですか。売る文化というのは日本にはまだないから、ゼロから1を作るのが好きな人はどんどん売却をすることを考えてスタートアップする事は良いと思いますし、ある程度興った事業をマネジメントするのが得意という人はどんどん買収していくという事もいいと思います。

これからは売却することを考えて事業を興すというような概念が、今以上にもっと広まるといいですね
小林
サイト売買のマーケットについて、何か感じていることはありますか?
滝井
滝井 秀典様03やっぱり、サイトを買って良かったとか、サイトを売って良かったとか、日常的に聞こえてくるようになるといいですね。ただその辺は、既存のお客さんの関係等あってあまりオープンにしにくいところもあるんでしょうけど。

それに事業を売るって何かこう日本文化的にはネガティブな感じが今まではあったと思います。
でもそのネガティブなイメージも変わってきてますよね。

事業を0から1にするのと、1から10にするのは違うんだという事を起業家は認識してどんどん起業すればいいと思うし、マネージメントできる人はマネージメントすればいいと思います。社会的にも少しずつそういう風に変わってきてますよね。
小林
今サイトキャッチャーでは、仲介には入らないで売手買手同士で直接売買してくださいという、売りたい人と買いたい人をマッチングする場を今までは提供してたのですが、今後は仲介の分野にも入っていこうと思ってるんです。そこで、サイトキャッチャーに求める事とかありますか?
滝井
滝井 秀典様04そうですね、やっぱり、コンサルティング需要はあるんじゃないでしょうか。僕のクライアントさんに、キャッシュはまわっているのだけどビジネスの土台が脆弱だっていう人が多いので、マーケティングだけはうまくいっているけどマーケティングは水物なので来年どうなるか解らないってみんな思ってる。例えば印刷業をやっているクライアントさんが居ます。PPCで何百万か投下してちゃんと売り上げ利益も作っているんだけど、結局PPCの単価が今倍になっちゃったら利益が無くなっちゃう。それってある意味ビジネスモデルとしては脆弱なんですよね。

印刷業とかだったら原価下げるのがもう肝になってきちゃうので、結局値引き合戦になっちゃうんですよ。原価下げるためには自社で工場を持っておかないといけないのですが、その時に一から建ててたら大変だから事業買収するというのは非常にいいですよね。ただ、中小企業にとっては、ハードルが高いのが現実です。

特にネット経由でとかだったらある一定のシェアを獲得して、やり尽くしちゃって残ったキャッシュが再投資しにくいので、ついつい余計なことしちゃう。
例えば健康食品の通販やっているんだったら、薬局買っちゃえばいいじゃないとか,それこそ健康系の通販サイト買ってもいいし、そういう発想というのがあんまりない。

こういうことをアドバイスできる人が身近にいるといいんでしょうね。
小林
かしこまりました。本日はありがとうございました。
滝井秀典様
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