サイト売買での交渉の流れについて。やりとりのポイントも紹介【実例あり】

[st-midasibox title=”本記事の内容” fontawesome=”fa-check-circle faa-ring animated” bordercolor=”#FFC107″ color=”” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”” borderradius=”5″ titleweight=”bold”]

サイト売買が未経験の場合、交渉の仕方がわからない。という悩みは多いと思います。そこで、

  • 買い手は売り手に対してどんな質問をしたら良いのか?
  • 売り手はどう答えたら良い?
  • 他の方はどういうやりとりをしているのか?

そんな悩みに、本記事では実際にサイトキャッチャーで過去に行われた交渉の流れを実例として紹介いたします。

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サイト売買(事業譲渡)と株式譲渡の両方を経験がある方なら体感するのですが、実はサイトの売買は分かりやすいものです。

株式譲渡の場合だと買収金額にもよりますが、決算書(PL、BS)の確認、登記簿謄本確認、株主構成のチェック、簿外債務の有無の確認、金融機関からの返済状況確認、訴訟の有無、従業員の在籍の場合、過去の時間外労働の支払いを行なっていないか等。

比べてサイト売買だと、一般的に多いのが数万円〜300万円までのスモールM&Aの為に細かくチェックするよりも、話が違った場合は契約書の表明補償で売主が責任を取ることになるため、意思決定が早いことが多いです。

その為、300万円以下のサイトの購入を考えている場合は(個人から見れば300万円は大きなお金ですが)、内容次第で即決できる金額の為「良いサイトだな!」と思ったら、すぐに交渉することをお勧めします

サイトの売買の交渉に関してですが、DD(デューデリジェンス)を別企業に頼むということはあまり無く(小規模サイトの場合です)、PLの数字を確認した上で、買収金額が適正か?を判断します。

もちろん、サイトの状況を見た上で減額交渉などもありますが、今回は割愛します。

売り手、買い手の両者が金額に納得し売買に合意を得た場合は、事業譲渡契約書を締結し、支払いと引き継ぎのスケジュール確認となります。

少々話が脱線しましが、本題の「実際の交渉のやりとり」について紹介していきます。

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※引き渡し後のサポートや外注の引き継ぎなど細かくみれば色々出てくる場合もありますが、ここでは一番シンプルな例として解説します。

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【無料】M&Aオンライン相談 売却や買収に関する悩みや、まだM&Aは具体的に考えてないが、実際にどんな流れなのかをすぐに知りたい。他社で売却出しているがなかなか決まらない。という方は無料で専門家がオンライン相談をしております。   お気軽に下記よりオンライン面談の日程をお教えください。  

スケジュールを設定

実例1:アドセンス収益がメインのサイトの交渉の流れ

これはサイトキャッチャーで実際に成約した案件で行われたやりとりの流れです。
※個人や案件を特定する情報については伏せさせていただきます。

【サイトURLの提示】

必要でしたら、Googleアナリティクスやサーチコンソールの情報も共有いたします。

ありがとうございます。

当方ブログ運営は初心者なので、購入後の移行方法や記事の増やし方、日常の運営方法とかをご指導いただけましたら幸いです。

Googleアカウントのメールアドレスを送ります。

無料サポート期間を1ヶ月から3ヶ月に延長させていただければと思っておりますが、いかがでしょうか?

記事の増やし方や日常の運営方法については、この期間中にサポートさせていただきます。

また、サイトの移行については「自分で移行する」か「業者にお願いする」のふたつの選択肢があります。

手数料がかかってしまいますが、専門業者にお願いするほうが安心で確実かと思います。

参考→サイト引っ越し屋さん https://site-hikkoshi.com/lp-wordpress/

ありがとうございます。ぜひ購入させていただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。

交渉ポイント

上記やりとりの良かったポイントとしては

【買い手側】

  • 初心者でわからないことがある時は素直に伝える。
  • サポート対応をしてもらえるかどうかの交渉をしてみる。

【売り手側】

  • 無料サポート期間を伸ばしてあげた。
  • サイト移行がわからなくても専門業者を使うことで相手に安心感を与える。

という点があげられると思います。

価格が買い手の想定する予算内に収まっているのであれば、あとはいかに安心してもらうか。

買い手に寄り添ったとてもスムーズな取引だったかと思います。

[st-cmemo fontawesome=”fa-exclamation-circle” iconcolor=”#ef5350″ bgcolor=”#ffebee” color=”#000000″ iconsize=””]無理に相手に合わせる必要はありません。できる範囲で、対応してあげましょう。[/st-cmemo]

実例2:BtoB向けのメディアサイト

こちらはBtoB向けのメディアサイトの成約事例です。

サイトのURLは●●●●です。

添付資料でアナリティクス、サーチコンソールのデータを共有します。

以下、何点が質問がありますので、お送り致します。

・サイトはワードプレスで作成されていますか?

・譲渡内容物は、サイトコンテンツとドメインということですが、サーバー?はどのように考えればよいでしょうか?
サイトの中身、ドメインを引っ越すようなイメージになりますでしょうか?

・現在他に商談されている方はおられますでしょうか?

サイトはワードプレスで作成されていますか?
▶︎はい。ワードプレスで作成しております。テーマは「●●●●」というものを使用しております。

譲渡内容物は、サイトコンテンツとドメインということですが、サーバー?はどのように考えればよいでしょうか?
サイトの中身、ドメインを引っ越すようなイメージになりますでしょうか?
▶︎サイトの中身とドメインの引っ越しを別々に行う必要がございます。
サーバーごと譲渡できない理由としましては、1つのサーバーで複数のドメイン(サイト)を運用しているためです。こちらの都合で申し訳ございません。

なお、サーバー会社は「●●●●」、ドメイン会社は「●●●●」を使用しております。
私もサイト売買の取引は初めてなので、譲渡決定後は調べながらの進行となります。お手数をかける可能性がある点申し訳ございませんが、優先的かつ迅速にサイト移行のお手続きに着手いたしますので、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
※参考(サーバー、ドメイン移行手続きは、下記の資料などを参考に進めていく予定です。ご希望等があれば、遠慮なくご連絡いただけますと幸いです。)
(サイト引っ越し、ドメイン移管の参考になるURLをいくつか提示)

現在他に商談されている方はおられますでしょうか?
▶︎現在、他に1社と商談をさせていただいております。基本的には最初にお取引の意向を固めてくださる企業様を優先したいと考えております。ただ、個人的には貴社事業とのシナジー効果を高く見込めるサイトだと考えているため、仮に他社様がお取引の意向を固めた場合でも、ご迷惑でなければ貴社にも一度お取引に関する意向を伺うか、必要に応じてご検討のお時間をさらに確保できればと考えております。

以上ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします。

3日ほど経過して

購入予定で申し出させていただいておりますが、

社内決裁をとりますので、後2日程いただけますと幸いです。

間に合いますでしょうか?

ご返信をお待ちいたしますので問題ございません。

数日後、社内協議の結果、譲渡決定となりました。

交渉ポイント

【買い手側】

買い手側の質問として、サイトの運営環境を聞いた他に、他に商談中の人がいるかどうか?を確認していました。買い手側が法人の場合は特に、社内決裁や社内稟議を取らなければいけないケースが多いかと思います。

せっかく決裁がおりたのに「もう他の人に決まりました」とならないよう、事前に確認しておくのがよいでしょう。

また、3日ほど連絡が空いてしまった際に「社内決裁をとりますので、後2日程いただけますと幸いです。」と、あとどれくらい待って欲しいか。待ってもらえるのか?を間にはさむのは、売り手を困らせないポイントです。

数日連絡がこないことで、交渉中止にする売り手もいます。連絡・状況報告はこまめにすると良いでしょう。

【売り手側】

買い手の質問に対して、細かく真摯に対応しているのが非常にスムーズな商談になっているかと思います。
聞かれた質問に対しただ答えるだけではなく、理由や状況をわかりやすく相手に伝えることで、安心感や信用を得られます。

また、他社とも商談中であることを話した上で、場合によっては速度優先とは限らない旨を正直に伝えるというのは相手にとってポイントが高いです。

買い手側も「社内決裁取れるように上長に頑張ってアピールしよう」と思ってもらえるかもしれません。

交渉失敗例

交渉が途中で止まってしまった、失敗してしまったというケースで、改善の余地があるなと感じた事例を紹介します。

複数の質問を投げかけたにも関わらず、返答の抜けが多い

たまたま1つ回答が抜けてしまった、ぐらいならまだ許容範囲でしょう。しかし、何個も抜けていたり、そもそも2、3しか質問していないのに回答に抜けがあるとなると、「真剣に対応してもらえてないのかな」と不信感に繋がります。

また、抜けがあるだけ余計なやりとりが増えてしまいます。

売り手、買い手に関わらず、来た質問に対しては丁寧に返答することをお勧めいたします。

事業に対しての批判的な質問で「興味があって問い合わせしている」という気持ちが売り手に伝わらない。

「このやり方だと売上は下がっていく」「●●との取引がメインだと今後の見通しが立たないのでは?」などと、否定的な質問の仕方は、相手に不快な思いをさせるだけです。

例えば、「このまま事業を続けるとしたら、今後どのようにして売上を立てていきますか?」「●●以外の代替えとなる取引先の候補はありますか?」などのように、あくまでも購入意思はあることを相手に伝えた方がスムーズです。

1000万円の案件を「500万円なら買います。」のように、価格交渉の幅が開きすぎている

【買い手側】

交渉する際はまず事業の売上や利益を確認するかと思います。損益計算書(PL表)を見て、その事業がどれくらいの価値があるかを算出します。

サイト売買の相場については「【査定無料】2022年のサイト売却相場は?サイトM&Aで高く売る為の12のポイント」で細かく解説していますが、おおよそ直近半年の利益平均×10〜15ヶ月分で成約することが多いです。

PL表を見る限り購入できる金額は500万円程度。しかし売り手の提示額は1000万円。

だからと言って、いきなり「500万円なら買います」と、提示の半額で交渉するのは売り手も首を縦に振らないでしょう。まずは1000万円で提示している根拠を聞いて、その上で価格交渉をしていくのをお勧めします。

【売り手側】

逆に、1000万円で売りたいという売り手の場合で、買い手からいきなり値下げ交渉が入ったケース。
買い手側のケースと同じように、どういう根拠で価格を設定しているのか、具体的に提示してあげましょう。単純に欲しい金額を設定しても、売却はできません。
また、買い手側が交渉してきた金額の根拠を聞くというのも、いいでしょう。

毎回返事に時間がかかりすぎている。(数日空くなど)

一度返事をしたら2、3日返ってこない…という人も見かけます。売り手・買い手問わず、複数の商談やりとりをしている人はいます。
そうなると気持ち的に、返信が早い人を優先したくなることはあるでしょう。

返事が遅いというだけで交渉決裂してしまうという、もったいない結果にならないようにしましょう。

まとめ:売り手も買い手も相手に寄り添ったやりとりを心がける

無理な要望に応える必要はありませんし、対応が悪い相手に媚をうる必要もありません。

しかし交渉をスムーズに進めていくコツとしては、相手に寄り添ったやりとりを心がけるのが大切というのが、過去の事例でもわかります。

中には機械的なやりとりを2、3往復して譲渡決定するケースもありますし、さまざまです。

しかし基本は人間がやりとりをしているわけですから、コミュニケーションを意識しつつ交渉をしてみてください。

後半で紹介した失敗例のほかに、「実際にサイト売買で失敗した事例やよくあるトラブル16個。注意すべき点など」で具体的に失敗した例やトラブルなどを細かく解説していますので、よければ参考にしてください。

また、交渉が不安、やりとりが苦手、という人は弊社スタッフへ交渉から成約までお任せの仲介プランもございます。お気軽にご相談ください。